ISBN:4063289362 コミック 佐藤 秀峰 講談社 ¥533

この「ブラックジャックによろしく(8)」を最後まで泣かずに読むことはできなかった。

あふれ出る涙で何度も読むのを中断してしまった。

でも、こういう本がある限り日本の医療もまだ大丈夫だ。

死ぬということ、生きるといことに真正面に向かわせてくれる。

ガンのことは人事ではないので、身につまされる思いである。

年間30万人の人がガンで命を落とす。

交通事故が年間8000人ぐらいだから、いかにたくさんの人がガンで亡くなるかと思うと呆然とする。

戦争時だって、そんなにたくさんの人が戦闘で亡くなったりはしないだろう。

毎年、広島級の原爆が日本国内で爆発しているようなものだ。

この本は最先端のガンの医療現場を見せてくれる。

僕も妻が乳がんにかかる2年前以前であれば、この本を読まなかったかもしれない。

ある意味、ケガレの感覚で遠ざけたかもしれない。ガンなんて言葉は口に出すだけでもおぞましいと思っていた。

だけど、それは間違いだった。

ガンなんか遠い出来事、自分には関係ないと思っている人にこそ読んでいただきたい。

3人に1人から2人に1人がガンで亡くなる状況に近づきある今、主人公、斉藤研修医が言った「最後まで寄り添ってくれる医師がそこにいるなら・・・僕はガンで死にたいです・・・・」この言葉は胸に突き刺さる。

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